ヤバい!と思った時に陥る落し穴!

こんにちは。

事業が傾くと、様々なプロジェクトを模索する経営者さんは多いと思います。

手がけたプロジェクトをきっかけに、業績が右上がりに戻れば幸いなのですが、残念ながら失敗の連続に陥ってしまい、取り返しのつかない事態になることもあります。

こんな時、経営者さんが陥る落し穴の一つが差別化です。

今回はこの差別化に対して考えてみましょう。

差別化で陥ったプロジェクトの実例

実際に差別化に失敗したプロジェクトをご紹介させて頂きます。

 

リーマンショックの後、冬の海でも快適に海に潜れるウェットスーツの開発をしようとした男性(Yさん)がいました。

埼玉でスキューバダイビングのツアーを企画・開催していたYさんは、暖かい快適なウェットスーツを提供することで、リーマンショックで急降下する売上に歯止めをかけたいと考えてました。

スーツの裏地には、当時市販されていた最高級の素材を使い、保温性を高め、また、スーツの表面は、撥水性を高めるため真っ黒なゴム素材としました。

メーカーとの打ち合わせを重ね、海でのテストにも成功しました。

しかし、結果は大赤字でした。

保温性は、当時売られていたウェットスーツの中では群を抜いて暖かいものでした。

海でのテスト中にも、業界関係者の方々から注目を集めるような評判の良い製品でした。

それでも、10着程度しか売れず、開発に要した数十万円の大半は海の藻屑と消えました

なぜ、売れなかったのでしょうか

開発当時、Yさんの頭の中にあったのは、「圧倒的な差別化」でした。

他店で売られていない、高性能な商品を市場に出すことで売上を取り戻そうと必死だったのです。

テストにテストを重ね、「冬の寒い海でも快適に潜れるウェットスーツ」という要件を満たす開発には成功しました。

しかし、ターゲットにしたお客さんには、多くの女性のお客様が含まれていました。

デザイン性に乏しい「真っ黒なウェットスーツ」を受け入れて下さった女性のお客様は1人だけでした。

(↑開発したウェットスーツ↑)

他店で販売されていないものが差別化であるという差別化に対する間違った認識が、プロジェクトを失敗へと導きました。

 

失敗を防ぐにはどうすれば良かったのか

Yさんの頭には、冬の海を暖かく潜ることしかありませんでした。

「誰に」という考えが全くありませんでした。

他にも、女性の従業員さんの声に耳を傾けなかったり、売上低下に対する焦りが判断力を鈍らせたりしていました。

 

経営の危機を感じたら、

★ 競合他社がやっていないことを手がければ良いなんて安易な発想はやめる。

★「貧すれば鈍する」⇒ お金が乏しくなると判断力が鈍くなるのを自覚する。

★ 他人の意見に耳を傾ける ⇒ 従業員さんの声は大切です。相談に応じてくれる専門家を探しておくのも大切です。(因みにウチの主力事業です)

 

以上の3つができていたなら、あんな惨めな結果にはならなかったと思います。

経営者のY氏は、私自身です。

 

結局、リーマンショックによる打撃から立ち直ることができないまま、震災の風評被害が重なり、私は20年近く経営していた会社を畳みました。

 

今でも、あの失敗を思い出すと、悔しいという思いが腹の底から込み上げて来ます。

「失敗は成長の糧になる」と言われます。

しかし、防げる失敗をわざわざする必要はありません。

 

私の失敗を通じ、同じ失敗を防いで頂ければ幸いです。

 

今日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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