その借金、本当に大丈夫ですか?

お金に困るとついつい手が出てしまうのが借金なんです。

どこの銀行とは書けませんが、サラ金並みの手軽さで安めの金利で貸してくれるところもあります。

私は借金なんかしないから大丈夫!

今は、大丈夫だと思います。

でも、未来永劫、お金に困ることはないと断言できますか?

万が一の時を考えて、今、借金について考えてみませんか?

 

返済できなくなったAさんの例

Aさん(仮名)は赤字が膨らんでスッテンテンになり、180万円を銀行から借りました。

5年間(60ヵ月)均等払いで借りることができ、手元に180万円が来て大喜びでしたが、

延滞していた売掛金の支払と親戚からの借金の返済で、借りた180万円は瞬く間に消えてしまいました。

毎月の支払は180万円÷60ヵ月=3万円プラス利子になります。

Aさんは、毎月3万円なら返せると考えていました。

頑張って頑張って、毎月3万円プラス利息を返してきたAさんは確定申告の時期になって真っ青になりました。

それまで赤字が続いたため白色申告だったAさんは、欠損金の繰越控除ができなかったのです。

税率が40%だと仮定すると、毎月3万円を返すには毎月5万円の利益が必要になるのです。

 

例えば、5万円の利益が出たとします。

40%が税金となりますので、60%は残ります。

「5万円×60%=3万円」

この3万円で借金を返すことになります。

残りの2万円は税金となり支払わなくてはならないんです。

 

 

なんとかなると思っていたAさん

毎月3万円を返せば良いと思っていたAさんは、税金の支払い分として新たに借金をしました。

毎月3万円でもギリギリだったのに、新しくできた借金が返せるわけもなく。。。

借金に借金を重ね、借金の泥沼にハマっていきました。

始まりは、大丈夫!と思っていた借金。

あの時の大丈夫!ヤバい!!になり、支払いが滞り、やがて絶望となりました。

 

Aさんは何がいけなかったのでしょう?

 

1)毎月3万円ならなんとかなると思っていた。

Aさんは売上が下がり利益が減ってきた時に、来年・再来年がどうなるか予想をしていませんでした。

目先の支払のことでアタマの中が一杯だったんです。

売掛金の支払いが滞り始め、親戚からの借金も増え、目先のことしか考えられませんでした。

頑張って頑張って、毎月返した3万円が本当にギリギリだったのです。

 

2)困ったら借りれば良いと考えるようになってしまった。

税金の支払いで困ったAさんは、またもや借金に走りました。

借金を一度すると、二度、三度と続く経営者は多いのです。

お金を借りることに抵抗がなくなります。

売上などで入ってくるお金より、支払いなどで出ていくお金の方が大きくなれば、どれだけ借金をしてもいつかは破綻します。

Aさんは、支払いなどで出ていくお金を減らす努力もしていませんでした。

財布の紐が緩くなっておられたようです。

 

3)相談できる人が身近にいなかった。

私は全ての借金を否定するわけではありません。

借金をしておいた方が良いときもあるんです。

赤字だから白色申告なんて、私のクライアントさんには絶対にオススメしません。

赤字だったら、欠損金控除のために青色申告にするのは経営のプロにとっては常識だと思います。

このような経営相談ができる人が身近にいたら、Aさんは違う人生を歩んでいた可能性は大きいと思います。

 

これはフィクションです、と言いたいのですが、実は8割ぐらいは実話なんです。

同業者さんや外回りの銀行員さんがこれを読んだら、たぶん、「いる、いる、そんな経営者さん」と言われます。

 

Aさんへのアドバイス

Aさんに届くことを願って、綴ってみました。

 

1)帳簿をつけましょう。

毎月どれだけの経費がかかっているか?

減らせる経費がないかどうか?

全ては帳簿をきちんとつけることから始まります。

帳簿をきちんとつけていれば、青色申告は決して難しいものではありません。

 

2)出るものを減らす

入ってくるお金より出ていくお金が多いから借金に走り出すのです。

出ていくお金を減らしましょう。

高速道路を湯水のように使うのはやめましょう。

コンビニで飲み物を買うなら、水筒を持ち歩きましょう。

外食をやめ、自炊をする習慣をつけましょう。

タバコとお酒を減らすだけでも、毎月数万円が節約できる時もあります。

家賃の安いオンボロアパートに引っ越すのも一手です。

 

3)売れるものは売る

借金をするぐらいなら、ベンツやポルシェなどの外車や贅沢品は売りましょう。

贅沢をするのは、業績が回復してからでもできます。

売るのは悲しいと思います。

我慢できないぐらいの屈辱を感じると思います。

 

その屈辱を、明るい未来に繋げて下さい。

 

4)経営のプロに相談して下さい。

貧すれば鈍する

お金がなくなると、判断力は鈍ります。

自分だけで答えを出すのはとても危険です。

一人で抱え込んでも良い答えなんて出るわけがありません。

 

イザという時に相談できるプロを、事前に確保しておくのは保険にもなるのです。

 

と、、、Aさんに届くことを願いながら筆を置きます。

 

今日も最後までお読み頂きありがとうございました。

何か質問がありましたら、どんなことでも受け付けます。

コメント欄でも、メール(arcadia@keiei119.com)でも結構です。

どしどしお寄せ下さい。

お待ちしております。

 

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