事業形態:個人事業主様
従業員:1名
事業内容:東洋医学の治療業務

【依頼内容】

ビジネスをこのまま続けて良いのかという漠然とした相談

【外部環境(*1)の分析】

資格取得者の急増により同業者が激増している。

【内部環境(*2)の分析】

実際に私自身も施術して頂いたところ、技術力は高いと感じた。

【ご相談の流れ】

1)ご相談を受けるまで

依頼主のM様とは、数回会った程度であった。

気さくな方で、「経営のことわかるのですか? 教えて下さい」のような調子でお約束を頂いた。

2)ご相談

私の場合、ご相談の中で以下のような切り口を使うことが多い。

組織・人事に問題や改善点はないか?
マーケティングで提案できることはないか?
生産管理面で問題や改善点はないか?
財務会計を正しく把握しており活用しておられるか?

今回は個人事業主様のため、の組織・人事との生産管理はとりあえず割愛した。

の会計に関しても少し触れてみたが、税務申告は専門家を通じて行われており、売上や仕入れの把握もしっかりしておられた。

お金に対する意識付けはしっかりと行われておられると感じた。

簡単な会計ソフトを紹介させて頂き、実際に運用して問題があったら相談して下さいとお願いした。

のマーケティングであるが、多くの同業者さんはターゲット顧客に対して、商品(サービス)面、販促面、販路面、価格面で分析することが多い。

いわゆる、「ターゲット+4P(*3)」と呼ばれるものである。

しかし、今回の場合は個人事業主様であることを重視し、そもそも依頼主さんがやりたいことと今の事業が合致しているのか否かにメスを入れるところから始めた。

依頼主さんからの相談内容が漠然としている場合、依頼主さんが心の奥で何を求めているのかを探ることを経営119.comでは重視している。

運が良いことにとても素直な性格の依頼主さんで、心の琴線に触れないようなことや興味のない話に対しては語気が弱くなる。

逆に、心の琴線に触れるような話題だと語気が強くなる。

我々からしてみたらとてもご相談を受けやすい依頼主さんであった。

本当にやりたいことにメスを入れていく手法は、実は私たちが一番得意とする分野である。

特に人間関係が円滑に構築され、思いついたことをポンポンとお話しして頂けるととても相談に応じやすい。

大切なのは、「依頼主様の本当にやりたいことは○○ですね。」と答えを出すのではなく、「私が本当にやりたいことって○○だったんだ!」と、依頼主さんに自分で気付いて頂くことなのである。

私が話してしまうと、2~3日で忘れてしまい、何のための御相談だったのかわからなくなってしまう。

自分で気がつき、自分の口から出た言葉というのは、誰もが記憶に残りやすい。

「押し付け」よりも「気づき」を重視するのは、経営119.comの特徴の一つだと思う。

ご相談の後、依頼主さんは事業に付随する関連ビジネスを幅広く事業展開されておられる。

時には海外に行き、そのノウハウを取得したりしておられるのが耳に入ってきたりもした。

あの時のご相談を活かしておられるようで、本当に嬉しい限りである。

これからも依頼主様の幸せを願う次第である。

 

【付記】

*1: 外部環境

自分の会社を取り囲む状況を指す。

例:原油価格が下がりガソリンの価格が下がり、ガソリンスタンド店が儲かったとする。この時、ガソリンの価格が下がっていることが外部環境の変化(機会)であり、ガソリン価格の変動が外部環境。

反対に、中国製品の輸出が急増し価格競争激化を招き国内産業に悪影響を与える時、
中国製品の輸出急増が外部環境の変化(脅威)であり、中国製品の輸出量の増減が外部環境。

「環境」の意味は排気ガス汚染やCO2増加などに使う「環境」ではないことに留意されたい。

*2: 内部環境

自分の会社の内側にある得意分野(強み)や苦手な分野(弱み)を指す。

例:我が社の自慢は技術力の高さである!という場合、技術力は内部環境の強みである。
逆に、我が社には熟練の営業担当者がいない!という場合、営業力が内部環境の弱みとなる。

*3:4Pについて

以下の4つの英単語の頭文字を取ったもの。
マーケティング(売れる仕組みづくり)では、対象顧客であるターゲットに対してこれらの4つの面から考察することが多い。

Product (商品面)
Promotion (販促面)
Place (販路面)
Price (価格面)

 

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